ハンザ史およびバルト海・北海沿岸の国・地域の歴史に関する邦文文献目録を更新しました。
書誌データの間違いや、誤字脱字、掲載されていない文献の情報などがありましたら、サイト管理人までお知らせ下さい。
日本ハンザ史研究会は、ハンザ(いわゆるハンザ同盟)やバルト海・北海沿岸諸国・諸地域の中近世史研究者の情報交換や勉強の場を提供する学術団体です。
ハンザ史およびバルト海・北海沿岸の国・地域の歴史に関する邦文文献目録を更新しました。
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2025年3月16日(日)
小野寺利行(明治大学ほか)
交易を円滑に行なうための商人・都市の団体であるハンザにとって、在外交易拠点の商館は重要な存在である。商館はハンザ商人たちが現地の非ハンザ商人たち、つまりハンザ商人と異なる文化・慣習をもつ商人たちと取引を行なう場であり、ハンザ商人たちが異郷の地で共同生活を営む場でもあった。そのような場では、外に対しても内に対してもハンザ商人たちの行動に一定の枠をはめる秩序なり規制なりが必要不可欠となる。
ハンザの「商業」または「制度」に関わる内容について、研究動向や文献・史料情報の共有、研究構想のビルドアップ、さらには参加者の研究(ハンザに関わらないものでも)の内容や進捗について互いに紹介,意見を述べ合う場にしたいと考えています。
ひとまずは毎月第2金曜日夜の時間帯で1〜2時間くらいを考えています。状況に応じて頻度の調整や日時の変更をします。毎回,事前にご連絡します。
会員の皆様には別途メールでミーティング情報をすでに通知しております。参加連絡は不要で、ご都合とご関心に合わせて気軽にお越しください。途中退室もご遠慮なくしてください。
なお、オンライン勉強会・情報交換会は原則として会員向けではありますが、非会員の方で興味があれば、メールかSNSで管理人までご連絡ください。ミーティング情報をお知らせします。
2025年3月2日
菊池雄太(立教大学)
2025年2月20日(木)に,本研究会会員の玉木俊明氏が主催するGlobal History Lecture Seriesにおいて,アムステルダム自由大学のLouis Sicking氏による講演が行われた(報告タイトルはMicrocosm of the Hanse: Space, representation and conflict management at Scania, 1350-1550)。
中世最大のニシン漁場・市場であるスコーネにおける,フィッテと呼ばれるハンザ商人居留地の組織と制度を論じたもので,氏はこの居留地を「ハンザのミクロコスモス」として捉える。まずフィッテの空間的構成が紹介され,それに続いて居留商人の組織,商人たちの母都市およびその代表者との関係,さらに紛争解決の仕組みなどが検討された。とりわけ特徴的であったのが,地中海地域におけるフォンダゴとの類似性,さらには近世の広東や出島などにおける居留地との質的な継続性を指摘するという,オランダの研究者ならではとも言える大胆なグローバルヒストリー的視野である。この見方については当然異論があり得,本稿筆者もあえてやや批判的な質問・コメントを行った。中世ハンザという歴史的固有性の検出を重視する立場をとり,氏の議論に対置させようとしたのである。
しかしそれは,氏の構想を排除しようと意図したものではない。むしろ,氏のように思い切った見取り図の提示に対し,地域・時代ごとの専門研究者から批判や検証が続くことで,居留地という商業組織の歴史的理解が,通時的かつグローバルな文脈から可能になるかもしれない,と考えている。氏の報告対象は限定的なものであったが,そうした広がりを感じさせた。研究書の出版が予定されているそうであり,刊行を心待ちにしたい。
2025年3月1日(土)に第42回研究会を、対面・オンライン併用のハイブリッド形式で開催いたします。詳細は関連ページをご覧下さい。
参加をご希望の方は、2月21日(金)までに幹事の菊池かサイト管理人にご連絡下さい。その際、参加形態(対面あるいはオンライン)もお知らせください。オンライン参加の方にはZoomのミーティング情報をお伝えします。
研究会に先立って、12時30分頃から研究会打ち合わせを兼ねてハンザ史研究の情報交換・勉強会を行います。参加自由ですので、ご興味のある方はお気軽にお越しください(こちらは対面のみです)。
対面・オンラインを併用したハイブリッド形式で開催